きのう入谷を訪ねた後、一旦志津摩に下ってから河津に向かう旧街道を上ってみようという話になりました。旧街道とは旧下田街道、即ち東浦路のことです。このところ暫く歩いていない峠路で、かなり荒れているだろうと車は下の空き地に置いて出発。
急坂を上がって行くと3軒の別荘があり、その先はいつになく奇麗に手入れがされていました。このぶんでは峠まで容易に行けるのではないかと喜んだのも束の間、果たして途中からゴーストップのワイヤーに阻まれ、この先は以前ほどではないにしても、荒れたままの道が続きました。それでも少しの間我慢して峠に到着です。お地蔵様3体と大日如来さまが迎えてくれます。以前と変わらない風景が展開していました。
今回は峠路を降りずに周辺をブラついてから下ろうとしたとき、車が留まっている畑が目につきました。農作業をしている様子です。貯蔵小屋の屋根に4本の立派過ぎるエア抜きが立っているのに気付き、この疑問を解消すべくちょっとお邪魔してみることにしました。
東南の方向に傾いた斜面は広大で、そこにいろいろなミカン畑が展開していました。黄色いミカン、赤っぽいミカン、小粒なもの大粒のもの、形もそれぞれです。私たちの話声を聞かれたか、オーナーが間もなくご登場です。黒っぽい作業服をキチンと身に付けたスラリとしたお若い方でした。定年を過ぎて間もないお年だと聞きました。最初からニコやかに迎えてくれたのには恐縮です。
この広い畑ではざっと聞いただけでも9種類を数えます。ハルカ、イヨカン、キヨミ、ニューサマー、・・・・、覚えきれません。このぶんでは年間を通じてほぼ収穫を続けることが出来るのではないかと思いました。特にフィンガーライムという品種の名前は耳新しい。これは香酸柑橘類の一つだそうで、香りと酸味が強いのでカボスなどのような使い道の物と言えます。名前のように指のような細く長い果実だそうで、特徴は内実が小さな粒々で詰まっているということです。珍しい話を聞きました。
ところで、何はともあれ公務員の仕事を続けながらよくぞこの畑を維持してきたものと感服せざるを得ません。現在は沼津にお住いで実家が稲取。最近は毎日往復していると言います。でも、いずれは逆に稲取を主にして沼津は別荘の形となるだろうと言ってました。やるべき仕事があるというのは羨ましいですね。
さて、貯蔵庫の屋根の件です。直径50センチほどの土管が地下に埋めてあり、畑の下部からこの貯蔵小屋に空気が通じるようになっているとのことでした。地下を通って来た空気は年間を通じてほぼ一定の温度を保っているとのこと。そんなわけで空気の流通が良くなるように4本のエア抜きが立っているのでした。
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